全南病院

TEL : 072-976-2211

〒582-0021 大阪府柏原市国分本町2-3-18

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診療科・部門

臨床検査科

検査科の紹介

安心、安全な質の高い医療の提供をめざして

検査科では、検体検査部門と生理機能部門の2部門あり、病気の原因を調べることや、治療の効果をみるために様々な検査を組み合わせて行います。 私たち臨床検査技師は、救急医療に対応するため迅速に正確な検査データが提供できるように日々努力しております。

検体検査の正確性精度管理は、精度管理サーベイや試薬メーカーが行うサーベイのほかに、担当技師が毎日、機器の点検と精度管理を実施しています。生理機能検査では検査技術の向上とコミュニケーションを大切にして、検査機器より得られるデータと患者様より得られる情報を正確に早く現場へ伝えられるよう日々精進しております。これからは、ICT(感染制御チーム)・NST(栄養サポートチーム)などのチーム医療や検査結果を病気の早期診断・治療に結びつけるために健診にも力を入れていきます。

今後もより一層地域の皆様に安心・信頼していただける医療施設をめざし、職員一丸となって研鑽を積んでまいりたいと思っておりますので、引き続きご指導よろしくお願い致します。

業務案内

検体検査

当院検査科は小規模なため、緊急検査を主に実施しています。院内で実施できない検査は、外部委託させていただいています。

一般検査

一般検査とは、患者さまからの主として、尿や便を扱って検査をします。

尿検査

尿に含まれている成分(タンパク、糖、潜血など)数種類の項目を検査します。
また、さらに尿の成分を詳しく調べるために、顕微鏡や自動分析器を用いて、尿中の細胞を調べる検査も実施しています。

便検査

簡易キッドを用いて便の潜血を確認することや、便に寄生虫もしくは寄生虫卵を確認します。

脳脊髄液

脳脊髄液は、硬膜、クモ膜、軟膜という3重の髄膜で包まれており、脳室内を満たす役割を果たしております。細菌性髄膜炎やウイルス感染を引き起こすと、好中球やリンパ球等の細胞が髄液中に増加します。その髄液を採取して細胞数や、タンパク、糖を測定することで、先のような感染症の診断に重要な検査となとります。

血液検査

血液検査の主な業務は「血球算定・凝固線溶検査・血液像・骨髄像」です。
貧血の分類や骨髄異形成症候群・白血病などの血液疾患の診断、抗がん剤による白血球のコントロール、抗凝血薬のコントロール、DICの診断などに不可欠な検査部門です。
これらの検査結果を正確に臨床へ報告するため、日々の内部精度管理といくつかの外部精度管理に参加することでデータの保障を行うことも私たち臨床検査技師の基本となる重要な業務です。
また、365日24時間正確で迅速に作動するよう測定機器のメンテナンスも欠かせません。

血球算定

採血された血液中の赤血球、白血球、血小板の数をカウントし、貧血や炎症の状態、血液細胞の異常などを調べています。それにより貧血や感染の有無、出血傾向などがわかります。
また、血液をスライドガラスに塗抹し染色を行い、顕微鏡で白血球分類や赤血球形態などを観察します。

  1. 赤血球数でわかること
    おもに貧血です。体内へ酸素を運搬する赤血球の減少は疲労感、倦怠感、息切れなどの症状につながります。
  2. 白血球数でわかること
    一般的に感染症に罹ると白血球数は増加します。また白血球数の不足は免疫力の低下となり疾患にかかりやすくなります。
  3. 血小板でわかること
    血小板は出血したときの止血の役目をしています。血小板数の不足は出血のしやすい状態を示します。止血のしやすさも反映しますが、止血は様々な生体物質の関与で成り立っています。また血小板は肝臓で作られるため、肝機能も反映されます。

凝固検査

採血された血液中の、止血に関わる化学物質(凝固物質)を測定し、体内の凝固能の状態(出血傾向、血栓傾向などのバランス)等を調べています。手術前検査やワーファリンなど抗凝血薬の治療効果判定などに活用されています。

血液像

白血球数の異常がみられたとき,質的な異常がないかどうかを確認するための必須検査です。
形態観察により質的変化をモニターできるので、量的変化だけでは判別できなかった疾患や、量的には正常でも質的な異常を伴う疾患を推定できます。

骨髄像

骨髄像の形態学的検査により、末梢血液像や他の一般的血液検査成績からでは確定できない造血障害や造血器悪性腫瘍をはじめとする種々の血液疾患の診断あるいは経過観察のときに用います。特に末梢血液像と対比して観察することにより、血球の新生、成熟、末梢血への遊出の状態を明らかにすることにより巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、顆粒球減少症、白血病、多発性骨髄腫、悪性腫瘍の骨転移、Gaucher病、Niemann-Pick病などの確定診断に重要な所見を与えます。

生化学検査

血液や尿などに含まれている蛋白やブドウ糖をはじめ様々な酵素、脂質類やミネラルなどの生命活動を維持する為には欠かせない物質を測定します。これらの物質は健康状態の目安として、病気の診断はもちろん治療効果や予後の判定に重要な意味をもっています。

免疫検査

迅速抗原検査

インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど早急に対応しなければいけない様なウイルスの抗原を検出するために迅速抗原キットを用いて確定します。

細菌検査

一般細菌検査

患者さまから採取した検体(喀痰・尿・血液・便など)を直接スライドガラスに塗布し、グラム染色を実施し微生物や炎症反応を観察、また微生物の色調・形態より病原微生物の推定を行います。また、微生物が発育するのに適切な栄養を含む培地に塗布し1〜2日培養し発育させます。発育してきた集落(コロニー)を用いて、自動同定感受性測定器等によって菌名の同定および薬剤の感受性を測定し病原微生物名とこの菌に有効な薬剤を探します。

抗酸菌検査

結核の原因となる結核菌などが抗酸菌と呼ばれ、チールネルゼン染色にて赤く染まります。
結核菌は空気感染するため取り扱いには十分注意が必要です。また抗酸菌の多くは発育に時間が掛かるため遺伝子検査なども行う事で迅速な結果報告が可能となります。

病理検査

病理検査では、組織検査、細胞診検査があります。必要に応じて、免疫染色が追加される事もあります。

生理検査

心電図検査

心電図とは、心臓の筋肉が全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返す時、微弱な活動電流が発生します。その電気的刺激を記録したものが心電図検査です。虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、不整脈等を調べます。

心電図の種類

  1. 安静時心電図
    ベッドに仰向けに寝て検査します。胸に6ヶ所、両手首・両足首の4ヶ所に電極をつけます。
  2. 負荷心電図検査
    運動により心臓に一定の負荷(負担)をあたえて、心臓の筋肉の変化を心電図で観察する検査です。安静時には胸の症状(胸痛・不整脈)がないのに、運動時に胸の症状がでる病気に狭心症があります。狭心症は心筋梗塞にも移行する可能性もあり、大変危険な状態です。
    狭心症が疑われる場合には、安静時には心電図に異常が出現していないことが多いため、運動により意図的に心筋に酸素が不足している状態(虚血)を誘発させ、心電図異常の有無を調べていきます。
  3. トレッドミル検査
    胸に心電図電極を貼り付けてベルトコンベア上を歩行運動していただき、運動中の心電図変化を調べる検査です。傾斜のないゆっくりとながれるベルトからはじまり、徐々に速度と傾斜がきつくなります。段階が進むにつれ早足~走っていただく程度の速さになります。
    目標とする心拍数に達した場合、胸の症状や心電図に変化がでた場合、疲労感・足の疲れなど運動を続けるのが難しくなった場合に運動を終了いたします。
    運動後は、心拍数が落ち着くまで心電図変化を観察いたします。
    *心負荷の強い検査ですので、医師の管理下で検査を行います。
  4. ホルター心電図
    ホルター心電図は、胸にシール状の電極を貼り付け,それにつないだ小型軽量の装置を身につけて、24時間心電図を記録し、これを解析して観察する検査です。夜間や運動時・症状出現時に記録されている為、不整脈の性状・頻度の解析、虚血性心疾患の発見、人工ペースメーカーの機能判定に有効です。
  5. その他(ペースメーカーチェック)
    人工ペースメーカーを当院で埋め込まれた患者さんを対象に年2回、電池残量等の機械チェックを実施しています。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸のときの呼気量と吸気量を測定し、呼吸の能力を調べます。換気の機能を調べる基本の検査です。通常、次の測定を行います。

  • 肺活量(VC)
    空気をいっぱい吸入して、いっぱい吐いたときの量です。通常、年齢と身長によって計算した予測正常値と比較し、%肺活量として表します。肺の呼吸全容量です。
  • 秒率(FEV1.0%)
    肺活量を測定するときに最初の1秒間に全体の何%を呼出するかの値です。肺の弾力性や気道の閉塞の程度を示します。弾力性がよく閉塞がないと値は大きくなります。

この2つの指標を使い肺の換気の障害を拘束性と閉塞性および両者の混合性の3つに分けます。

脳波検査

頭部にクリームで電極を付け、脳からの電気信号を波形として記録する検査です。けいれんを起こした時、意識障害がみられた時、症状には現れない軽い意識障害をみつけようとする時、てんかんが疑われる時などに行われ、脳腫瘍や脳梗塞後などの診断に用いられます。

聴性脳幹反応(ABR)

左右の耳たぶと頭部に電極を付け、イヤホンから音を出します。音によって反応する脳波を記録します。最近では脳死の判定にも使われています。また、音が聞こえたか返事ができない乳幼児や高齢者に対しては、聴力検査として利用することもあります。

PWV/ABI (脈波伝播速度/足関節上腕血比)検査

PWV/ABI検査とは、動脈硬化に用いられる検査で、血管年齢・血管の硬さ、血管の狭窄(詰まり具合)の有無を知ることが出来ます。血管の狭窄はABI値として、血管の硬さはbaPWV値として算出されます。ベットに横になり、両腕・両足首に血圧計を、両手首に心電図電極を、胸に心音のセンサーを取り付け、測定を開始します。検査時間は5分程度で終了します。

パワーベクトル検査(重心動揺計)

人間の起立姿勢は非常に不安定で重力その他の力により絶えず倒れないようにしていますが、種々の感覚系や神経系・中枢・筋系により直立姿勢が保たれています。このどこかに異常が発生すると、眩暈などの症状が現れます。
この検査は、機械の上に目を開けて1分間、目を閉じて1分間立っていただくことにより、重心の位置や速度の変化を測定し解析します。

聴力検査(オージオメーター)

一般定期健康診断・雇入れ時の健康診断の聴力検査として、周波数1000Hz・4000Hzでの音が聞こえているかどうかの検査です。

よくある質問

採血について

ご飯を食べてきたけど、採血して大丈夫?
採血は基本的には、空腹時に行います。
食事をすると、血糖、中性脂肪、インスリンなどの検査結果に影響します。食後に採血をした場合は、診察の際に医師に伝えてください。
毎回同じ部位で採血して大丈夫?
大丈夫です。短期間に同じ場所で繰り返し採血すると血管が硬くなり、針が刺さりにくくなる場合があります。その場合は採血担当者にご相談ください。
採血した同じ部位で点滴をして大丈夫?
採血した部位に腫れや痛みなどがなければ、点滴しても大丈夫です。
造影剤を使用して検査しましたが、採血できますか?
可能です。採血できます。
採血の頻度はどれくらいですか?
診療のために必要な頻度になります。
採血量はどれくらいですか?
外来採血室では10-15mlぐらいの方が多いです。
検査の内容によりますが、採血管2-3本の場合で、大さじ1杯くらいの量です。
体重50キログラム以上の人は400mlまでの献血が安全とされています。
検査のための採血はごくわずかな量です。
検査結果はどのくらいで出ますか?
病院内で検査しているものは、採血から1時間から1時間半で結果がでます。
外部に検査をお願いしている場合は、早くて3日、遅いと1週間かかります。
お風呂に入っても大丈夫?
大丈夫です。

生理機能検査について

予約検査の日時を変更したいが、どうすればいいの?
診療科にご連絡ください。
予約検査は時間どおりなの?
原則としてご予約時間どおりです。遅れそうな場合は事前にご連絡ください。
連絡なく遅れた場合、当日検査ができないこともあります。何かありましたらご相談ください。
服装はどんなものでも大丈夫なの?
上下が分かれた洋服でご来院ください。検査によっては衣服を脱いでもらうことがあります。
ワンピースやお着物(和装)は避けてください。また心電図検査では、足首に機械を装着する必要があるため、靴下やストッキングは短めのものをおすすめします。なお、時計・入れ歯・補聴器は基本的にはそのままで大丈夫です。
結果はその場で教えてもらえないの?
検査室では結果に関することはお話できません。検査を担当するのは臨床検査技師です。
他の検査結果等とあわせて担当医が診断します。
ついでに別の検査もやってもらえないの?
指定された範囲外の検査を技師の判断で追加することはできません。まずは担当医にご相談ください。

心電図検査について

体の中に電気を通すの?
体に電気を通す検査ではありません。心臓が動くとき、わずかな電気を発生します。
その電気の強弱を波形グラフ化したものが心電図です。
ホルター心電図検査で装着した機械はいつはずすの?
24時間後にはずします。翌日再びご来院いただきます。詳細は装着時に担当者からご説明いたします。

呼吸機能検査について

食事しても大丈夫なの?
大丈夫です。検査の2時間くらい前までに済ませておいてください。

脳波検査について

検査時間中に眠れなかったらどうなるの?
医師に連絡して指示を仰ぎます。前日に睡眠時間を少なくする、カフェイン摂取を控えるなど、眠れるように工夫をお願いいたします。

検査科に入職希望される方へ

幅広い知識と技術を見つけた臨床検査技師を目指しませんか。

徳洲会グループ病院の臨床検査技師は約1000名が在籍しています。
救急車で搬送される患者様の検査に携わることも多く、迅速に診断を求められています。
また、豊富な症例数により、高度な医療技術が習得可能です。
各種認定資格や専門技師へのサポート体制を整え、スペシャリストの育成にも力を入れていますので、入職後、経験を積みながら各種試験にチャレンジできます。
定期的にグループ内の病院間で交換研修を行うことで、自病院ではできない経験を積むことができ、他病院技師との交流を通してチームワークや仲間との絆を育んでいます。
研究発表会も積極的に行っており、各病院での検査技術や創意工夫を共有し、一人でも多くの患者様により良い医療を提供できるように日々努力しています。
救急医療では限られた時間で最善の医療を提供することが求められます。あなたも経験豊富な先輩の適切な指導を受け、救急医療の最前線で命を守り続けることができる臨床検査技師として共に活躍しましょう。